黒の革靴のお手入れ 上級編 修正版

靴のプリンス

2017年03月06日 12:00

こんにちは、プリンス靴店の渡辺です。

以前こちらのブログや動画でご紹介しました「黒の革靴のお手入れ 上級編」ですが、動画をご覧になった方から何箇所かご指摘を頂きまして、改めて修正した動画と記事をご紹介したいと思います。




以前の記事と比べて修正した部分

ロウの成分が入ったクリーナーで靴底を綺麗にすると靴底が滑りやすくなるというご指摘を元に、
靴底をクリーナーで綺麗にするという部分を消去しました。

ポリッシングを布で行うと、布の繊維が革に入り込んでしまうというご指摘を元に、ポリッシングはブラシで行うよう修正いたしました。



まずは用意する道具ですが、
必ず必要なものは
クリーナー、靴クリーム、いらない布、防水スプレー
です。
出来れば御用意して頂きたい物は
シューキーパー、靴ブラシ(汚れ落し用、クリーム塗布用)、グローブシャイン
です。


今回追加したクリーム塗布用の小さいブラシです



1.靴の汚れをおとす
まずは、一番最初に靴紐を外して下さい。
靴のベロの部分は実は結構汚れていて、かつ色ムラも多いので、ここをきちんとお手入れする為にも靴紐は外しましょう。靴紐自体もかなり汚れていますので、洗っても汚れが取れない場合は靴紐を換えましょう。


次に、もしご家庭にシューキーパーという靴の型を整える道具があるなら、それを入れます。
無い場合は、靴を買ったときについてきたアンコをいれます。


そして、ブラシがあるならブラシをかけて汚れを落とします。1方向にかつ外側に向かってかけましょう。


次にクリーナーを使って汚れを落とします。
指の腹を布で包み、そこにクリーナーを付けて靴の汚れを落として下さい。
最初に汚れが一番ついているつま先から行い、その後全体を綺麗にします。



汚れが布にうつってきたら、布の場所を綺麗な所に変えて再度クリーナーをつけて下さい。
ここで気をつけて頂きたいのが、あまり力を入れてこすらないという点です。
クリームを塗る際もそうなのですが、力を入れすぎますと革の奥に布の繊維が入りこんでしまいます。


2.クリームを塗る


先のお手入れの記事でも申し上げましたが、クリームは少量を薄くのばすイメージで。
片足につき米粒2,3粒で十分です。

布やブラシに少量クリームをつけて、最初につま先やカカトを塗り、その後色が薄い部分を塗り、
それから全体を塗りましょう。忘れがちですが、ベロの部分もきちんと塗ってください。

布を使う際は、先ほどと同じように、力を入れてやらないこと。

3.磨く

そして、ここが前回と一番違うポイントなのですが、
つま先に光沢感を出す為に、クリームを少しだけブラシにつけて、つま先に円を描くように塗りこみます。
しばらくしたら、ほんの1滴だけつま先に水をつけ、また円を描くように磨きます。
これを何回か繰り返すことで、つま先に何層も厚いコーティングを付け、強い光沢感がでるようになります。


特に目安はありませんが、何回か行い、あまり光沢感がでない場合は再度クリームを少量つけ、
磨き、また水を1滴つけるを繰り返して下さい。

この工程をポリッシングといいますが、
ポリッシングはつま先やカカトといった革が硬い部分にのみ行って下さい。
革の柔らかい部分で行うと革がひび割れてしまうことがあります。


ポリッシングが終わったら、靴全体を磨きます。
磨くのには、グローブシャインという手袋状の磨き布が一番適していますが、
無ければ先ほどクリームを塗るときに使った布で、汚れていない部分で磨きます。

グローブシャインを使うときは横に動かすとより綺麗になります。

ポリッシングが終わったら、シューキーパー又はアンコを外して下さい。


4.防水して完成
まず最初にポイントとして挙げておきたいのが、
防水スプレーは至近距離で一度に沢山かけてもあまり意味がありません。
こし靴から離した状態で、さっと2,3秒、全体をかけるだけで十分です。
靴の中に手を入れ、反対の手でスプレーを持って、手首のスナップを効かせながらかけるといいでしょう。


これだけではちゃんと防水できているか心配という方は、
30分ぐらいしてからもう一回2,3秒スプレーをかけてください。
防水スプレーは一見乾いているよう見えても、表面に防水膜ができるまで時間がかかります。
一度防水膜ができてから、さらに膜を2重にする為に、30分ほど時間を置いてから再度防水するというわけです。

最後に靴紐を通して完成です。


以上が黒の革靴のお手入れ 上級編になります。
一番の違いはポリッシングにより光沢感が強く出ている点です。
プロの靴磨きの職人さんは革質ごとにクリームを使い分けますのでより綺麗な仕上がりになりますが、
皆様でもここまでやればかなりプロの磨きに近い仕上がりになるはずです。
より靴の仕上がりにこだわりたい方は、試してみてはいかがでしょうか?

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